誘導雷とは?特徴や影響範囲の他に誘導雷による被害例や対策も紹介!
雷には、大きく分けて「直撃雷」「誘導雷」「逆流雷」という3つの種類があります。その中でも、身近に起きる多くの落雷被害は、「誘導雷」によって発生します。雷による被害と言うと、木や建物などの対象物に雷が直撃する「直撃雷」をイメージしがちですが、「誘導雷」による落雷被害にはどのようなものがあるのでしょうか。本記事では、誘導雷の特徴や影響する範囲、そしてその被害例と対策を紹介します。
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誘導雷とは?
誘導雷とは、落雷時に発生した雷サージ(異常電圧と異常電流)が電線や電話線、ケーブルなどに流れ込んだもの、つまり誘導されたものを指します。雷のエネルギーは、誘導雷として周辺に広く拡散されるため、数キロ先で発生した落雷からも被害を受けることがあります。
このように広範囲に渡って影響を与えるのが誘導雷の特徴です。しかし、誘導雷によって発生する電圧と電流は直撃雷に比べ低いため、「避雷器」などの対策を行うことで被害を抑えることができます。
誘導雷による被害例
落雷後に電気機器が使えなくなった場合、そのほとんどが誘導雷による被害だと言えるでしょう。高電圧・高電流がコンセントを通して流れ込むことで、機器内部が損傷を受け故障します。そのため一見、雷による被害を全く受けていないように見えても、急に電源が入らなくなったなどの問題が起こるのです。
このような被害を特に受けやすいのが、洗濯機や電子レンジ、パソコン、Wi-Fiアクセスポイント、テレビなどです。他にも、誘導雷による電磁波は、データストレージや通信システムにも影響を及ぼすことがあります。例えば、サーバーやデータベース、ネットワーク機器などが雷の誘導電流や電磁波によって損傷することで、データの消失や破損などの被害が生じる可能性があります。
重要なビジネスデータの他にも、大切な写真や動画などパソコンに保存していたものが失われるのは、雷によって起こる被害の中でも辛いものだと言えるでしょう。また、電気設備の配電盤や配線、コンセントなどが過電圧や過電流によってダメージを受けることで、停電や火災の原因となることもあるので十分な注意と対策が必要となります。
誘導雷の対策
誘導雷は、直撃雷のように直接対象物に被害を与えるのではなく、電線や電話線などを介して雷のエネルギーを流し、機器を損傷させるため、そのような回路を遮断することで誘導雷による被害を抑えることが可能となります。ここでは、そのような原理を応用した誘導雷対策を2つ紹介します。
コンセントからプラグを抜く
電気機器や家電製品を雷から保護するために家で簡単にできる対策は、雷が鳴り始めた時にコンセントからプラグを抜いておくことです。他にも、電話回線やインターネット回線、テレビのアンテナ線も抜いておくと安心です。このように誘導雷が侵入する経路を遮断することで電気機器への被害を抑えられます。
避雷器を取り付ける
コンセントからプラグを抜いておくのが一番効果的な方法ではありますが、外出時や就寝時に落雷が起こることも考えられます。また、冷蔵庫など長時間電源を切ることができない電気機器もあるので、あまり現実的な対策とは言えないでしょう。
このような状況で有効な対策と言えるのが、避雷器の取り付けです。避雷器は、誘導雷による異常電圧・異常電流が通過した際に、適切に分散・吸収し、電気設備への雷の影響を最小限に抑える役割を果たします。ただし、避雷器は繰り返し使うことが出来ないので、雷サージを一度でも受けたら買い替えるようにしましょう。
まとめ
誘導雷は、広い範囲で影響を及ぼすため被害を受ける確率が高くなります。そのため、事前の対策が重要となりますすが、どの対策法も完全に誘導雷の被害を食い止めることはできません。普段から使用している洗濯機やテレビ、電子レンジなどの電化製品だけでなく、パソコンに保存しているデータなど大切なものを守るためにも、いくつかの対策法を併せて使用することをおすすめします。
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