雷はアンテナに落ちる?!テレビアンテナの落雷対策を4つ紹介
「雷は高い木や物に落ちやすい」というイメージがありますよね。それでは、家の高い位置に設置されているテレビアンテナはどうでしょうか。雷が落ちやすいならば、深刻な被害を受ける前に適切な対策が必要となります。本記事では、テレビアンテナの落雷被害の種類や被害を抑える対策など、雷とテレビアンテナの関係性について詳しく紹介します。
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テレビアンテナに雷は落ちやすい?
結論から言うと、テレビアンテナに雷が落ちることはあり得ますが、その確率はおよそ1000万分の1とかなり低いものです。多くの人が持っているイメージの通り、雷は高い場所に落ちやすいので、その観点から見ると、家の高い位置に設置されているテレビアンテナは雷が落ちやすい対象物の一つとなります。
ただし、多くの場合、家の周辺にはアンテナよりも高いものがたくさん存在しています。そのため、雷はアンテナよりもそれらに引かれる可能性が高くなり、住宅街に落ちる場合は「電信柱」に落ちるケースがほとんどとなります。
テレビアンテナの落雷被害
テレビアンテナに雷が直接落ちる確率は低いものの、テレビが映らなくなるなど落雷による被害はよく起こります。それでは、アンテナはどのように雷の影響を受けているのでしょうか。ここでは、落雷時にアンテナに起こり得る2種類の被害状況を紹介します。状況に合った対策を講じるために、どのような被害があるのかをしっかりとチェックしておきましょう。
直撃雷による被害
直撃雷とは、その名の通り人や物、住宅に雷が直撃することを言います。先ほど紹介したように、雷が自分の家に落ちる確率は極めて低いものの、可能性が全くないわけではありません。また、落雷時の電圧は200万~10億ボルトとも言われ、直撃したらひとたまりもありません。
テレビアンテナや建物の損傷、屋内にある電化製品の破損、火災など、直撃雷による被害は、アンテナやその周辺の設備にさまざまな形で現れます。
誘導雷による被害
落雷時に住宅で起こる被害のほとんどがこの誘導雷によるものです。誘導雷とは、家の近くに雷が落ちた際に、雷が持つ電力が電線や電話線を伝わり周辺の住宅へ流れ込むことを言います。
誘導雷が起こると、テレビアンテナのブースターやコンセントに挿されている家電製品へ一瞬にして高い電圧や電流が流れるため、故障などの被害を受けるようになります。直撃雷に比べて誘導雷による被害範囲は広く、発生する確率も高いので、誘導雷に合わせた適切な対策が必要となります。
テレビアンテナの落雷対策
落雷は自然災害なのでこれらの被害を完璧に防ぐ方法はありません。しかし、対策を講じることで被害を最小限に抑えることはできます。ここでは、テレビアンテナを落雷被害から守る保護策をいくつか紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
アンテナよりも高い位置に避雷針を設置する
家の周辺に自宅のテレビアンテナより高いものが無い場合は、避雷針を設置することで雷の電磁場を分散・導電させることができ、アンテナや住宅が直接受ける被害を抑えられます。雷は高いものに落ちやすいので、避雷針を設置する際には、屋根の頂上やビルの屋上など一番高い位置にくるように注意しましょう。
テレビアンテナの設置方法を工夫する
テレビアンテナに雷が直撃することはほとんどありませんが、落雷対策の一つとして「アンテナの設置場所」が挙げられます。特に、家の周辺に高いものが無い場合は、自宅の屋根に設置されているテレビアンテナが一番高いものとなり、雷に打たれる対象となりやすいのでこの方法は有効だと言えるでしょう。
屋根裏設置
屋根裏まで受信電波が十分に届いていることが条件となりますが、テレビアンテナを屋根裏に設置することで雷の直撃を受けるリスクが低くなります。他にもアンテナを屋根裏に設置することで、外部からの物理的なダメージを最小限に抑えられるため、風や雨、降雪などの天候要因によるアンテナの摩耗や損傷を軽減することができるでしょう。
外壁設置
一般的に外壁は屋根よりも低い位置にあるため、外壁へのアンテナ設置は、雷の直撃を受ける可能性を軽減することに繋がります。ただし、アンテナを外壁に設置する際は、周囲の建物や樹木に遮られない、電波を受信するのに適した場所を選ぶようにしましょう。外壁へのアンテナ設置は、テレビの映りやすさだけでなく建物の外観にも影響するので、設置場所は十分に考慮したうえで決めことをおすすめします。
ベランダ設置
屋内に隠さないまでも、雷の落ちやすい高い場所を避けたアンテナの設置は、落雷被害を防ぐ対策として有効です。外壁の他にベランダへの設置が考えられますが、ベランダには軒下がある場合が多いため、その下に設置することで雷だけでなく風雨にさらされて起こる劣化を防げます。
避雷器を設置する
先ほど紹介したように住宅で起こる落雷の被害は、ほとんどが誘導雷によるものです。雷の高電圧・高電流が住宅へ流れ込むことで、コンセントに差しっぱなしにしてあるパソコンやテレビなどの電化製品が損傷を受けます。本来ならば、雷の音が聞こえ始めたら、誘導雷による被害を受けないように電化製品のコンセントを全て抜いておくことが効果的です。
しかし、テレビアンテナのブースターや冷蔵庫など、電化製品のコンセントを一つ一つ抜くのは現実的に難しく、雷が酷くなってから行うには感電の恐れがあるため、とても危険な行為となります。このような場合に役立つのが避雷器であり、避雷器の設置は、落雷対策において効果的な方法の一つだと言えるでしょう。
避雷器は、落雷で異常電圧が発生した場合、特定の電圧以上が加わると作動し始め、雷のエネルギーを導いて地中に逃がすことで電化製品への被害を最小限に抑えるという役割を果たします。避雷器は、建物の主要な電源パネルや重要な電気設備に設置されることが一般的です。これにより、雷の影響を受ける可能性が高い部分を保護することができます。
避雷器は、「サージプロテクター」「サージアブソーバー」「サージアレクター」などとも呼ばれ、その種類もさまざまなため使用目的や周囲の環境などを考慮しながら、最適な避雷器を選ぶようにしましょう。このように避雷器の設置は、建物や電化製品の保護に不可欠ですが、単独で完全な保護を提供するものではないので、避雷器を使用すると同時に、複数の落雷対策を組み合わせることが重要となります。
ブレーカーを落とす
落雷による被害を防ぐには様々な方法で電気回路を遮断し、電気を通さないようにすることが重要となります。ブレーカーを落とせば、建物内の電気回路を遮断できるため、雷の影響を受けた際に電気機器や配線への被害を最小限に抑えることができます。
ただし、ブレーカーを落とすと、一時的ではありますが自宅で電気を使えなくなってしまうので、雷の状況を確認しながら適切なタイミングでブレーカーを落とすように注意しましょう。
まとめ
落雷時に起こるテレビアンテナの被害には、直撃雷と誘導雷によるものがありますが、ほとんどの場合は、誘導雷によって起こります。今回紹介した対策は、テレビアンテナを落雷から守るために有効なものですが、絶対的な保護を提供するわけではありません。
そのため、いくつかの適切な落雷対策を一緒に講じることをおすすめします。また、雷が鳴り始めてからテレビアンテナを守ろうと行動すると感電などの危険も伴うので、日頃からアンテナを守るための準備をしておきましょう。