テレビアンテナでCS・BS放送を見るには?違い・設置方法・費用を解説
地上デジタル放送に加えて、映画やスポーツ、ニュースなど幅広いジャンルを楽しめるのがCS・BS放送です。アンテナを導入すれば自宅で多彩な番組を視聴できますが、「CSとBSの違いは?」「アンテナは1台で足りるのか?」「設置費用はどのくらいかかるのか?」といった疑問を持つ方も少なくありません。今回は、CS・BS放送の違いや設置方法、費用の相場、さらに導入前に確認しておきたいポイントを解説します。
CS・BS放送の違い
CS・BS放送を視聴するには、まず両者の仕組みや特徴を理解することが大切です。利用する衛星や放送形態、契約の有無によって、楽しめる番組や費用が大きく変わります。ここでは基礎的な違いを整理します。
放送の仕組み
CSとBSはいずれも衛星放送ですが、利用する衛星の種類や放送形態が異なります。
BS(Broadcasting Satellite)は日本国内向けに利用される放送衛星で、全国の世帯に届くように設計されています。NHKや民放系列による無料放送が中心で、対応アンテナを設置すれば視聴可能です。
一方、CS(Communications Satellite)は通信衛星を利用し、映画・スポーツ・アニメ・ドキュメンタリーなど専門性の高いチャンネルが揃っています。スカパー!を代表とする有料サービスが中心で、契約内容によって視聴できる番組が決まります。
視聴にかかる費用と契約の有無
BSは多くのチャンネルが無料で視聴できますが、NHKは受信契約が必要です。地デジ契約者はBS受信料が追加で発生します。CSは基本的に有料で、視聴するにはスカパー!や各種CSチャンネルの契約が必須です。基本料金に加え、チャンネル単位やパック契約があり、月額1,000円〜数千円程度の費用がかかります。
アンテナでの設置方法
CS・BS放送を受信するには専用アンテナが必要ですが、どの種類を選ぶかは視聴するチャンネルや設置環境によって異なります。アンテナの受信範囲や設置条件、DIYと業者依頼の違いを確認しておきましょう。
1台で受信できる範囲
BSと「110度CS」は同じ方向に衛星が配置されているため、1台のパラボラアンテナで受信可能です。多くの家庭ではBS/110度CS対応アンテナで視聴に対応できます。
ただし「124度・128度CS」は異なる方向に位置しているため、専用アンテナや3波対応のアンテナが必要です。視聴したいチャンネルによって、設置するアンテナの種類を事前に確認しておくことが重要です。
設置場所と設置条件
アンテナの設置場所として一般的なのは、屋根上、ベランダ、外壁など屋外の開けた場所です。重要なのは、衛星の方向に障害物がないことです。マンションの高層階ではベランダ設置、戸建て住宅では屋根や外壁設置が多く見られます。また、強風や積雪に耐えられるよう確実に固定する必要があります。台風や積雪地域では、設置角度の調整や耐候性を考慮することが求められます。
DIYと業者依頼の比較
アンテナの設置はDIYでも可能ですが、方向調整や安全確保が難しく、受信が安定しないリスクがあります。高所作業は危険を伴うため、安全性や確実性を重視する場合は専門業者への依頼が適切です。業者に依頼すれば、受信感度の測定や設置後の保証対応も受けられるため、長期的に安定して利用できます。
設置にかかる費用相場
アンテナ設置には本体代や工事費だけでなく、環境に応じて追加費用が発生する場合があります。事前に相場を把握しておくことで、予算計画が立てやすくなります。基本費用と追加費用の内訳を紹介します。
基本工事費用
BS/110度CS対応アンテナの設置費用は、本体と工事費を合わせて約20,000〜45,000円が一般的な相場です。市販の本体と取り付け金具、ケーブルを含むセット商品は10,000〜20,000円程度ですが、別途工事費がかかる場合があります。
追加費用が発生するケース
設置状況や住宅環境によっては追加費用がかかります。
- ブースター:電波が弱い地域や複数台接続時に必要。20,000〜35,000円程度。
- 分配器:複数の部屋で視聴する場合に必要。5,000〜20,000円程度。
- ケーブル延長:配線距離が長い場合、1mあたり500円程度。
- 高所作業費:屋根上など高い場所で設置する場合に発生。
- 撤去費用:既存アンテナを撤去する場合に追加されることがある。
長期的コストと維持管理
アンテナは10年以上利用できる耐久性がありますが、台風や大雪で破損する場合があります。保証やアフターサービスの有無を確認し、長期的な維持管理コストも想定しておくことが大切です。
導入前に確認すべきポイント
アンテナ設置を検討する際には、視聴目的や住宅環境、業者選びなど複数の要素を確認することが重要です。事前に条件を整理しておけば、設置後のトラブルを防ぎ、長期的に安心できる環境を整えられます。
視聴したいチャンネルを明確にする
まずは視聴目的を整理しましょう。無料のBS放送だけで十分な場合は標準的なBS/CS対応アンテナで対応できますが、映画やスポーツなど専門チャンネルを視聴する場合は有料CS契約が必要です。契約料金とアンテナ設置費用を合わせて、総合的に検討する必要があります。
住宅環境によって設置有無が変わる
集合住宅の場合、すでに共用アンテナが設置されていることがあります。個別設置が不要なこともあるため、管理会社や大家への確認が必要です。持ち家では自由度が高いものの、地域の電波状況によってはブースターが必須となる場合があります。業者に現地調査を依頼し、最適な方法を提案してもらうと適切です。
業者選びのポイント
業者を選ぶ際は、見積もりの内訳が明確であるか、工事保証の有無、4K8K対応の可否を確認しましょう。施工事例や利用者の口コミも参考になります。費用だけで判断せず、長期的に安心できるかどうかを基準に選ぶことが重要です。
まとめ
BSとCSはいずれも衛星放送ですが、放送形態や視聴費用に違いがあります。BSは無料放送が中心で、CSは有料専門チャンネルが多いのが特徴です。BSと110度CSは同じアンテナで視聴可能ですが、124度・128度CSには専用アンテナが必要です。設置費用は2万〜4.5万円が目安で、ブースターや分配器などの追加機器で費用が変動します。
導入前には「どのチャンネルを見たいか」「住宅環境に設置可能か」「信頼できる業者を選べるか」を確認しておくことが重要です。これらを事前に整理することで、長期的に安定した受信環境を確保できます。